初めてのユンボ操縦 鉄パイプ残骸掘りだす

 家内の趣味、家庭菜園用に借りている畑には土に埋もれた鉄パイプがある。 鉄パイプの温室を撤去した残骸と聞いている。 地主から聞いていたし、耕運機で耕している分には気にならなかったが、トラクターで耕すようになってから錆た鉄パイプが出るようになった。 

 ※家内の家庭菜園の写真
 ※家庭菜園用に中古トラクターを買ったブログ

 耕耘爪は折れたりり曲がったりはしていないようだが、いつかそんな日が来そうだ。 爪なら交換できるが、ロータリーが故障すれば莫大な出費となるやもしれない。

 ・・ってな事を造園屋の親方に話すと、「ウチのユンボどっちか空いてる、貸しちゃるよ」 などと有難い事を言う。


 造園タケシ&サトシ(無論仮名)、兄弟で造園業をやっている中ガッコの同級生だ。 奥さんはタケシの高校同級生(この高校が映画になりそうな学園天国校)で、結婚前はキーパンチャーをやっていた。 ・・のでこの年齢にしては珍しくキーボードはブラインド・タッチで高速で打てると自慢だ。 ←見たこたぁねぇし、想像できね。 ムカシならともかく、むくんだ手で今も打てるんかな? なんて思っても決してカオに出してはなんね、口に出したら首折られそうだ。

 話元に戻って、
 「簡単にゆうねぇ。 俺、ユンボなんか最近見た事ないし勿論使った事もない」
 「でぇ~丈夫って。 半日もやりゃ大体慣れる」 

 ちゅうワケで夕方、タケシの家に行く。 向こうに弟サトシの家もある。 塀もなければ生垣もない、どこまでが宅地でどこからが庭木の畑なのか区別のない屋敷に無造作に庭石が置いてある。 ユニック(クレーン)付きのトラック隣のダンプ・トラックには小型ユンボが乗っかってる。 更にその隣に大きいユンボがあった。

 まさか、大きいのちゅうんじゃないだろなぁ、などと心配していると、
 「明日は小さいの使うから、こっちにしてくれ」 と大きい方を指す。 でたぁ、案の定大きい方だ。 こんなのムリ~、などと思っていると、

 「ワ゛~ハハ、冗談、冗談。 お前を驚かそうと思って。 あの畑ならこっちの方か便利だろ」 と小さいのを示す。

 ユンボ=油圧ショベル、またはバックホー。 後で調べて解かったが機種はクボタU-008。 持ってきてくれたのは丁稚、まだ十代のように見える。 サトシに聞いた彼の名を忘れちまった。  アルミ合金の渡り板をトラックから地面にナナメに渡し、ユンボを操作して恐る恐る下る。 安心の為かショベルを前に出して、前に転ばないようにしている。

 その丁稚が説明とも独り言とも区別つかない口調で語る。
 「これでブームうごかす。 これが回転で~ あれ、コレ何のペダルだろなぁ」 それもその筈、彼はトラックに積み下ろしだけで、掘削作業はした事がない。 勿論免許証なんてない。 何しろ丁稚だから。

 「こりゃ、サブのアクセルじゃね?」 と俺。 二人で悩む。 エンジンは掛けたままだ。
 「とにかくやってみるよ」 と早速乗り込んでレバーを操作する。 

 キャタピラーは左右セットのレバーで前進後退を左右別々に操作する。 ショベルを動かす左右セットのレバーが何れも”十の字”に動き、油圧シリンダーが個別に操作できることは知っているので動かしてみる。

 うお~、こりゃ面白そうだ。 小学校3年生の時、家の前の道路工事でホイールローダー(四駆で前バケットで土砂を掬いダンプトラックに積み込む。 別名タイヤ・ドーザー)が活躍する姿を見て憧れ、なりたい職業はホイールローダーの運転手だった。 

 だから油圧ショベルを動かしてツマラナイ訳がない。 内心にんまり、だが、ここにいる丁稚ごときにそんな事を知られちゃなるまいと、ポーカー・フェイス・・つまり何食わぬ顔で取敢えず目の前に穴を掘ってみる。

 が、初めて操るのにそんなに簡単にいくワケがない。 反対に動かしたり必要もないのに回転したりとヒッチャカメッチャカ。 動きを一つ一つ確認しながら、たどたどしくも何とか穴が掘れた。

 「オレ、練習して帰るから」と危険防止で離れて突っ立ってみていた丁稚を帰らせた後で、じっくり十字レバーの動きを確認する。 (後日判ったが、レバーの操作は重機メーカーによって4通りあるが、切り替えユニットがついているらしい。 以下の操作はJIS規格の操作方法になっている)


 右コントロール・レバーは以下の通り。
     ②下
      ↑
 ③曲げる←+→ ③伸ばす
      ↓
     ②上

 左コントロール・レバーは以下のとおり。

     ①上
      ↑
  左旋回←+→右旋回
      ↓
     ①下

 この練習で穴掘り程度なら右のレバーを、前-右-後-左、の順でグルグル回すように操作すると掘れる事に気が付いた。 な~んだ、簡単じゃん。 スッキリして帰宅する。

 翌日、自信満々で現場に乗り込み、昨日の練習での心得を念頭に鉄屑がありそうなと所を掘ってみる。 最初は考えながらレバーを操作したが、そのうちに要領を得てコツが掴めて来た。

 ハウスのあったと思われるところを掘り起こし鉄パイプを探す。 ウヲ、出て来たぞ、鉄は錆て土と融合して固まっている。 縦に挿してあるだけと思っていたが、横向きにも入っているようだった。 短く切れ切れになっているものもあれば三節棍(ブルースリーが使っていた武器で3つに折れるこん棒)のように幾つかに折れて繋がって出てくる場合もある。  

 ハウスの形状から想定してパイプがあったと思われるところを掘ってバケットから落ちる土の中に鉄屑を見つけたら地表に露出させておいて後で回収する。 

掘り起こしが的を外れているかもしれないので幅を稼いで掘るが、堀残しは避けられないだろう。 その日は約4時間程度運転して終了とした。 面積の約半分が終わった。

 翌日配達が終わってから楽しみにしていたユンボの運転に掛かる。 なんと、別人のようにレバーの操作が上達していた。 考えなくてもレバーを操作できるようになってた。 睡眠学習したかもしれない。 自分の手足のようにバケットを操れる。 早く仕事するワザ(素人にとっては些細な操作もワザだ)や、キワにバケットを当てる技を習得して、仕事はサクサク、心ウキウキになった。 

 タノシー、ユンボ。 こんなの持ってたら毎日運転できるのになぁ、などと自家用ユンボを無駄に運転する自分を妄想する。 一体いくら位なんだろう、などと思ってみたり。

 上達のせいか、2時間もすると、昨日やったと同じくらいの面積が掘り起こしできて、ハウスがあったと想定される部分の鉄屑探しを終了した。 掘り出した鉄パイプの残骸を一輪車に乗せて回収する。

 何だかあっけなく終ちまったな。 せっかくユンボに慣れたのに勿体ない気持ちだ。  次の夕方、親方がユンボの回収に来た。

 「貸してくれてありがと。 俺、もうプロ並みだぜ、考えなくても操作できる」
 「必要になったらゆってくれ」
 「もう、ないだろなぁ」

 トラックに渡り板で乗せるかと思っていたら、なんとブームのところにある環にフックを引っかけてユニックで釣り上げて、トラックに乗せてしまった。 800kgだと言って。

  タケシが去って行った。  さようならユンボ、楽しかったよ、と後姿を見送った。

 追記

 後日・・年の瀬も押し迫るころ、タケシがいないのを見計らって封筒に入れたユンボ代金を奥さんに渡した。 タケシに渡すと絶対取らないからだ。  「とりあえず預かっとくね」と奥さんは言った。







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